評価

★★★☆☆ 面白くはあったけど……な作品

前置き

普段、読書感想を始めとして文章はあまり書かない人間である。 また主に読むジャンルはファンタジー一辺倒であり、SFに関しては無知であることに留意して頂きたい。 SFの経験としては小学生の頃に読んだ星新一程度であり、数年前に三体が話題となっていた記憶があるがこちらは未読。

感想

決して面白く無い訳では無いのだが、SNSで見られるように大絶賛されている理由が分からなかった。 ネタバレを避けて本作品が評価されているポイント、話題となっているポイントを挙げれば下記となる。

  1. ネタバレ厳禁な展開であること
  2. 翻訳が苦手な人にとっても読みやすい作品であること
  3. 2026年に映画化が決定したこと

それぞれについて見ていく。

ネタバレ厳禁な展開

他の方の本作品の感想や推薦文では、 「ネタバレ厳禁」「映画の予告編を見るな」「本の帯さえ見るな」 といった表現を多く見かけた。 しかしいざ読み終わると、確かにネタバレされると面白くは無いと想像できるが、 それはおおよそ全ての作品で言えるのではないか?という感想を抱いた。

上巻の中盤まで読み進めれば本作品は頭から時系列順に並んでいないことは分かり、 終盤にかけて大きな転換点を迎えるわけであり、それらは間違いなく本作品の根幹を成す部分である。 しかしどの作品にも 起承転結 における 「承」「転」 の部分は含まれ、プロジェクト・ヘイル・メアリーに限ったことではない。 最後まで読み切った感想として、そこまで何かを避ける必要があったのかと言われると分からない。

翻訳の読みやすさ

個人的に本作品の評価を大きく分けるのは翻訳、翻訳家との相性だと考える。 私は本作品を読み進める中で「プロジェクト・ヘイル・メアリー 誤訳」と検索してしまう大きなミスを犯した。 基本的に私は1つの作品を読み終わるまで他者の感想は見ないようにしているが、上巻の途中で翻訳のクセが合わず同様に感じる人を探してしまった。

そこで出会ったのが下記noteである。 本作品の内容に大きく関わるため、ネタバレを許容できる方のみアクセスして頂きたい。

プロジェクト・ヘイル・メアリーの翻訳について

誤訳とも捉えかねられない翻訳との相性が悪く、最後まで読み切るまで翻訳のことは常に頭に残ってしまった。

また本作品において、主人公の口調は特徴のあるものとなっている。 これは主人公が置かれている環境の都合上、独り言として言葉にしなければ何が起こっていて、何をしているのか読者が直接的に理解できないためと解釈している。 この主人公の独り言に強いクセがあり、人によっては読みやすいと感じるのかもしれないが、私には合わなかった。

映画化の予定

SF同様に映像作品は日常的に触れてないため映画のPVを含め見ておらず、全くもって完全な推測であるが、 本作品は書籍で体験するより映画で体験した方が面白い類のものであると感じた。 主人公の語り口調は映画化に伴って変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。 それでも主人公の置かれた環境での一連の操作を逐一、活字で読んでいくよりかは遥かに楽しい体験となるのではなかろうか。

まとめ

ただ単にnot for meであったというだけであり、展開は良く面白い作品ではあったが、人に薦めるかと言われると悩む作品。